RITEバイオプロセス

高効率生産を可能にする独自のバイオプロセス

増殖非依存型RITEバイオプロセス

増殖非依存型バイオプロセスである「RITEバイオプロセス」は、さまざまな種類の非可⾷性バイオマス原料からバイオ燃料(エタノール、ブタノールなど)やグリーン化学品(芳香族化合物、アミノ酸、有機酸など)の高効率生産を実現する革新的なコア技術です。

微生物菌体は増殖を停止しており、まるで酵素触媒を詰め込んだ細胞工場のように用いられます。添加したさまざまな糖原料は、菌体生産には使われず、有用物質の生産に使われます。化学生産プロセスとは異なり、常温常圧のマイルドな条件で生産連続稼働や繰り返し稼働もできることから、必要なエネルギー等も削減でき、環境にも優しい技術です。

本技術は、カーボンニュートラルを実現するために必要な切り札として内外から注目を集めています。

高効率生産を可能とする「RITEバイオプロセス」
=「増殖非依存型バイオプロセス」の新展開

RITE Bioprocess(反応槽に微生物を高密度充填し発酵)

従来の増殖を伴った発酵法では、糖原料が菌体の増殖にも使われるため目的とする有用物質生産の効率は低いという課題がありました。
目的物質を効率的に生産できるように高度に代謝設計されたコリネ型細菌を大量に培養し、細胞を反応槽に高密度に充填後、嫌気的な条件や、増殖に必須な因子を削除することにより細胞の分裂を停止させた状態で反応を行います。これによって、増殖に必要な栄養や大きなエネルギーが不要となるため、糖原料が増殖等に使われず、目的物質の生産に活用されます。

他にも図のように、菌体再利用が可能であったり、発酵阻害物質耐性や、さまざまな阻害物質耐性など、多くのメリットがあります。

増殖非依存型のバイオプロセスのメリット

また、近年のデジタルxバイオ技術による「スマートセル」技術の目覚ましい発展により、従来よりも極めて短期間、かつ合理的に人工代謝経路の設計と高生産株の構築が可能となり、実際に従来は不可能とされていたさまざまな種類の化学品を高生産可能となりました。

C5&C6糖類の完全同時利用を実現

ペントース輸送体遺伝子(araE)の導入によるC6糖とC5糖の同時利用能の改善

非可⾷性バイオマスのうち、セルロース系バイオマスは、キシロースやアラビノースなどのC5糖と、グルコースなどのC6糖の混合物から構成されます。そのため、セルロース系バイオマスを原料として効率的に生産するためには、C5糖とC6糖の同時利用が不可欠です。

C5糖代謝遺伝子を導入したコリネ型細菌は、グルコース(C6糖)に比べ、キシロース(C5糖)、アラビノース(C5糖)の利用速度が遅いため、原料を連続的に投入するとC5糖ばかりが残存して蓄積され、やがて、化合物の生産効率が低下する課題がありました。

そこで、RITE技術によって、さらにC5糖輸送体遺伝子を導入することによって、C5糖の利用速度をC6糖並みに高めることに成功しています。これによって、C5&C6糖類の完全同時利用が可能となり、セルロース系原料を効率的に利用できるようになりました。この他、原料に含まれるさまざまなバイオマス由来のオリゴ糖の利用も可能となっています。

発酵阻害物質に対する高耐性

発酵阻害物質に対する耐性の比較

非可食性バイオマスの多くは、微生物が利用可能な糖にするため、一般的に化学処理や酵素処理が必要です。
リグノセルロース系バイオマスの前処理によって生成するフェノール類、フラン類などの発酵阻害物質は、目的物質の発酵過程で強い阻害を示すことが知られており、バイオ生産を行う上で大きな障害となっています。
このため、目的物質を効率的に生産できるようにするには、微生物(細菌)の発酵阻害物質に対する耐性を高めることが不可欠です。「RITEバイオプロセス」は増殖しない生産プロセスであるため、発酵阻害物質に対して高耐性であり、高効率・高生産が可能です。

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